「スクワットに取り組みたいがやり方がわからない。」「怪我をしない正しいスクワットのやり方を知りたい。」
このような悩みを抱えていませんか?スクワットは下半身全体を鍛えられる種目ですが、全身運動で怪我をしやすく難しい種目です。
そんな方のために、今回はスクワットの正しいやり方から、様々なスクワットのトレーニングメニューを初心者・中級者・上級者ごとに分けて紹介していきます。
目次
スクワットで鍛えられる部位
スクワットは主に下半身を鍛えられるトレーニングです。体幹まで鍛えることができ、やり方次第で下半身の負荷を集中させたいポイントを変えられます。
ここからはスクワットで鍛えられる代表的な筋肉を紹介していきます。
大臀筋(だいでんきん)

出典:武器屋.net BLOG
お尻全体を覆う筋肉で、体の中で最も大きい筋肉です。大臀筋を鍛えることによって、ヒップアップ、代謝の上昇、お尻の脂肪燃焼、運動能力の向上といった効果が期待できます。
大臀筋は脚の動き全てに関わってくるため、アスリートにも非常に重要な筋肉です。
大腿四頭筋

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大腿四頭筋は太もも前面にある筋肉で、以下の4つの筋肉から構成されています。
- 大腿直筋
- 外側広筋
- 内側広筋
- 中間広筋
大腿四頭筋の発達は顕著なので、筋トレのモチベーションアップにもつながります。
ハムストリングス

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ハムストリングスは太ももの裏側に位置しており、お尻から膝まで繋がっている大きな筋肉です。ハムストリングスを鍛えることで太ももが引き締まる他、俊敏性や持久力の向上にも影響します。
一方で、ハムストリングスは怪我をしやすい場所でもあるので、鍛えることも重要ですが筋肉のケアも行うようにしましょう。
ヒラメ筋・腓腹筋(ひふくきん)

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ヒラメ筋・腓腹筋は膝からアキレス腱にかけて伸びている筋肉です。走る・跳ぶといった、かかとを上げる動作で働きます。
鍛えることでふくらはぎが引き締まり、足首を細く見せられます。スポーツの場合、マラソン選手やバレーボール選手には特に欠かせない筋肉と言えるでしょう。
体幹
スクワットは下半身を鍛えるトレーニングですが、腹筋や脊柱起立筋といった体幹の筋肉も鍛えられます。これは体幹を動かすのではなく正しい姿勢を維持するために体幹が働くことで、結果として鍛えられるのです。
ただし、腹筋が割れるほどの効果は期待できません。体幹を集中的に鍛えたい場合はクランチやバックエクステンションといった体幹をメインに鍛えるトレーニングも行いましょう。
スクワットの種類
スクワットには2種類あり、自分の体重を負荷にした自重スクワットと、バーベルを背負って行うバーベルスクワットです。
それぞれのスクワットのやり方について説明していきます。
自重スクワット
自重スクワットは、自宅で簡単に取り組めるため初めて筋トレをする人にもおすすめです。特別に用意する物もなく、怪我のリスクも低いです。
自重スクワットの中で最も一般的なノーマルスクワットの正しい手順を説明していきます。
ノーマルスクワット手順
- 肩幅に足を広げて腕はまっすぐ前に伸ばすか、胸の前でクロスさせた状態にする
- 膝をつま先より前に出さず、背筋を伸ばした状態ゆっくりと腰を落としていく
- 太ももが地面と平行になった状態で静止
- 背筋を伸ばしたまま直立姿勢に戻る
バーベルスクワット
バーベルスクワットは、バーベルを肩や顔の前に担ぎスクワットをします。自重スクワットに比べ大きな負荷を加えられるので、自重スクワット以上に筋肥大に効果的です。
高重量を担ぐことでふらつきやすいので、慣れないうちは補助をつけましょう。
バーベルスクワット手順
- 足を肩幅に開き、バーベルを担ぐ
- 膝をつま先より出さず、背筋を伸ばしたままゆっくりと腰を下ろしていく
- 太ももが地面と平行になったところで静止
- 最初の高さまで持ち上げる
初心者向けおすすめのスクワット
続いて筋トレ初心者におすすめのスクワットを紹介していきます。始めは負荷が少ないものから始めて、スクワットの動きに慣れてから徐々に負荷を上げていきましょう。
回数は10回・3セット、1セット行ったら30秒休憩が目安です。
ボックススクワット
ボックススクワットはリハビリにも使用されており、椅子に座るように行うスクワットです。キャスターの付いていない、座面が自分の膝の高さのイスを準備しましょう。
手順は基本的に自重スクワットと同じです。椅子に座るまで腰を下ろしたら、腰を上げて直立の姿勢まで戻ります。負荷が軽いと感じた方は、ノーマルスクワットに取り組んでみましょう。
ボックススクワット手順
- 椅子の少し前に立ち、肩幅と同じくらい足を広げて立つ
- 腕は前に伸ばすか胸の前でクロスさせる
- 膝をつま先より前に出さず、背筋を伸ばした状態でゆっくりと腰を落としていく
- お尻が椅子に付いたら腰を上げていく
- 背筋を伸ばしたまま直立姿勢に戻る
- 手順3~5を10回繰り返す
中級者向けおすすめのスクワット3選
負荷を上げてスクワットを行いたい方は、これから紹介する3種類のスクワットを行ってください。
ワイドスタンススクワット
ワイドスタンススクワットの手順はノーマルスクワットと一緒です。足の開く幅を、肩幅より広くすることで負荷を増やしたトレーニングです。
ノーマルスクワットに慣れた方であれば、次はワイドスタンススクワットをおすすめします。
ワイドスタンススクワット手順
- 足を肩幅より広げて立ち、腕は前に伸ばすか胸の前でクロスさせる
- ノーマルスクワットの手順2~5と同様にする
スプリットスクワット
スプリットスクワットは、大腿四頭筋とハムストリングスを強力に鍛えることができるメニューです。慣れるまでは倒れないように壁や机で体を支えながら行いましょう。
スプリットスクワット手順
- 肩幅程度の広さに足を前後に開く
- 後ろに出した足は踵を浮かしつま先立ちの状態にする
- 背筋を伸ばし腕はバランスが取りやすいように腰に当てるか、左右に軽く開いておく
- 前に出した足の膝がつま先より前に出ないようにゆっくり腰を落としていく
- 太ももと地面が平行になったところで静止
- 腰を上げて最初の姿勢に戻る
- 10回行ったら前後の足を入れ替えて繰り返し行う
上級者向けおすすめのスクワット4選
さらに高い負荷を求める方向けのスクワットを4つ紹介していきます。負荷が大きく膝や腰を痛めるリスクも上がるため、正しいやり方を確認してトレーニングを行いましょう。
ブルガリアンスクワット
ブルガリアンスクワットをする上で台(椅子)が必要です。台の高さは膝下の高さから始め、高さを上げるにつれてトレーニングの負荷が大きくなります。
ブルガリアンスクワット手順
- 台に背を向けた状態で60cm離れた場所に立つ
- 台に片足を乗せ、つま先立ちの状態にする
- もう一方の足を少し前に出す
- 背筋を伸ばし、膝がつま先から飛び出さないように腰を下ろしていく
- 太ももが地面と平行になったところで静止する
- 上体が左右にぶれないように腰を上げていく
- 片足10回終わったら前後の足を入れ替える
ジャンピングスクワット
ジャンピングスクワットは、スクワットにジャンプの動きを付け加えたトレーニングです。ジャンプすることで着地の時に下半身の筋肉全体にかかる負荷が大きくなります。
着地の際は膝を90度以上曲げないように気を付けましょう。
ジャンピングスクワットの手順
- 足を肩幅より広げて立つ
- 視線は常に前を見るようにする
- 背筋を伸ばし膝が90度になるまで曲げる
- 腕を大きく振り、つま先で地面を強く蹴り上に跳ぶ
- 着地は足の裏全体で行い、膝が90度になるところで静止する
- 以降4と5を繰り返し行う
ピストルスクワット
ピストルスクワットは片足を浮かした状態でスクワットを行うトレーニングです。片足でスクワットを行うためには、筋力とバランス感覚が重要となります。
ピストルスクワットは膝関節や股関節を怪我するリスクが高いので、無理をしないようにしましょう。
ピストルスクワットの手順
- 足は30㎝開いて立つ
- 片足を前に出して浮かせる
- 両手は前に伸ばしバランスを取る
- 片足のままスクワットを行う
- 太ももが地面と平行になったら静止
- 片足を伸ばし直立の状態まで戻る
- 回数にこだわらず無理をしない程度繰り返す
- 逆の足で4~6を繰り返す
シシースクワット
シシースクワットは大腿四頭筋を重点的に鍛えることができます。トレーニングの過程で上体を大きく背面に反るため体勢が不安定です。転倒防止のため、壁や机などに手を付いて行いましょう。
シシースクワットの手順
- 足を肩幅に広げ、壁や机に片手を付いて立つ
- 膝を45度曲げて太ももから上半身が一直線の状態を保つ
- 2の状態のまま背面側に身体を倒していく
- 膝の角度が90度で静止する
- 直立姿勢まで戻る
- 2~6までを10回繰り返す
スクワットの負荷を上げる4つの方法
スクワットはやり方を工夫することで負荷を上げられます。初心者や中級者で負荷を上げたい方はこれから説明する方法を試しましょう。
重りを持って行う
重りを手にもったり背負ったりしてスクワットを行うことで、負荷を増やせます。筋トレをする際の重りはダンベルが一般的ですが、家にあるものでも代用可能です。
重りとして使用できるものは、ペットボトル、リュック、厚めの本などが挙げられます。リュックは中に入れる荷物の量を変えることで重量を変えられます。
軽い重りから始めて、徐々に重いものへと挑戦していきましょう。
ゆっくり行う
ゆっくり筋トレを行うことをスロートレーニングと言います。厚生労働省が運営している「eーヘルスネット」では「ゆっくりと動作することで大きな筋肥大・筋力増強効果を得ることができます。」と記載されています。
具体的には、「3~5秒程度かけて、3~5秒かけて下ろす」というやり方です。ゆっくり動作する時間が長くなると負荷は大きくなるので、始めは3秒から始めましょう。
静止する
静止するタイミングは最下点から立ち上がる時、最高点からしゃがむ時の2つがあります。時間を長くすれば負荷を増やせますが、まずは1秒からスタートしていきましょう。
静止せずにトレーニングを行うと無意識に反動をつけてしまいがちです。反動をつけてしまうと筋肉への負担が減り十分な効果を得られません。
静止することで反動を防ぐこともでき、筋トレの効果が高まります。
可動域を変える
可動域を変えることで、負荷を上げられます。スクワットで腰を下ろすのは、太ももが地面と平行になるところまでですが、より深く屈むことで負荷を上げられるのです。
他にも負荷を上げる方法は腰を上げる際に膝を完全に伸ばしきらないというものです。大腿四頭筋の負荷を逃すことなく、再度下ろしていくことで筋トレ効果が高まります。
筋トレ後に行うべきこと
筋トレ後は筋肉にとって超回復を行うための重要な時間なので、しっかりと筋肉のケアを行わなければなりません。ケアの内容は栄養の補給、ストレッチ、休息の3つがあります。
栄養の補給
筋トレ後に必要な栄養はたんぱく質と炭水化物です。たんぱく質は筋肉を作る働き、炭水化物はトレーニングで消耗したエネルギーを補給する働きがあります。
特にたんぱく質は筋トレ後30分以内の摂取が良いとされています。すぐに食事できない場合やお腹が減っていない場合はプロテインからの摂取がおすすめです。
ストレッチ
トレーニング後は筋肉が緊張していて血流が悪くなっているため、ストレッチで血流の改善を行いましょう。血流を改善することで老廃物の除去や筋肉への栄養補給ができるため、超回復が促進されます。
休息
超回復期間中は筋繊維が修復できていないので、超回復が終わるまでは筋トレを控えましょう。
筋繊維の修復が終わっていない状態でのトレーニングは、筋繊維にさらなるダメージを与えるだけで筋肥大はできません。
まとめ
今回はスクワットで鍛えられる部位や、正しいスクワットの方法、レベル別のスクワット、負荷の高め方などについて説明してきました。
スクワットは下半身全体を効果的に鍛えられる種目なので、レベル別に適したものから始めていき、徐々にステップアップしていきたいですね。また、負荷を高めるために動作スピードや重量、可動域などを工夫して取り組むことでより筋肉の成長を促しましょう。