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「走高跳の記録を伸ばしたい!」
「記録を伸ばして全国大会に出たい!」
「記録を伸ばしたいけど効果的なトレーニングがわからない」
陸上競技の走高跳で記録を伸ばしていくためには、身体的な能力を上げることだけではなく、専門的なトレーニングを行う必要があります。
「じゃあたくさん跳ぼう」
こう考える選手や指導者がたくさんいます。
あながち間違いではありませんが、練習効率を考えて専門的なトレーニングをすることでより効果的なトレーニングになります。
しかし効果的な練習方法や意識など、「何をしたらいいのかわからない」という人がたくさんいます。
正直、走高跳を指導できる人は多くないです。
僕は小学校5年生の時から30歳になるまで競技を続けてきましたが、走高跳の指導を受けたのは県や全国レベルの合宿の時くらいでした。
この記事では走高跳に必要な専門的なトレーニングや意識などを中心にご紹介します。
指導しているチームに走高跳選手がいる指導者、伸び悩んでいる選手はぜひ最後までご覧いただき、走高跳の記録を伸ばすためのきっかけにしていただけると幸いです。
目次
1.走高跳に特化したトレーニングをやろう!
走高跳の記録を伸ばすためには、走高跳に特化したトレーニングをすることが最も効率的です。
当たり前のことのように思うかもしれませんが、走高跳に特化したトレーニングメニューを入れているチームや選手は非常に少ないです。
陸上競技は身体的な能力が記録に直結する競技ですので、基礎トレーニング(走るメニューやウエイトトレーニングなど)を「全体練習」で取り入れ、時間があったら専門種目に分かれるといったパターンが多いです。
もちろん基礎トレーニングは必要であり、身体能力を上げることが最重要です。
しかし、チーム全体が同じメニューでトレーニングを行うことは本当に効率的であるか?
答えはNOです。
陸上競技には様々な種目があり、種目によって必要な能力が違うということはお分かりいただけると思います。
例えば短距離であれば、スピードを上げるために必要な筋力があります。
長距離であれば短距離のようなスピード系の筋肉ではなく、持久系の筋力が必要です。
走高跳も例外ではなく、瞬発系のトレーニングや体幹がぶれないような筋力が必要となります。
このように、陸上競技といっても各種目により必要なトレーニングが違うため、走高跳の記録を伸ばしたいのであれば走高跳に特化したトレーニングを取り入れることが効果的です。
2.走高跳に特化したトレーニングをやるべき理由
ではここで走高跳に特化したトレーニングをやるべき理由についていくつかご紹介します。
例えば走高跳選手がベンチプレスをガツガツやっても高く跳べるようにはなりません。
筋肥大するウエイトトレーニングを毎日入れたら跳べるようになるか?
おそらくならないでしょう。
筋肥大することで大きなパワーを生み出すことができますが、その分体重が重くなったり、柔軟性が損なわれたりします。
では走るメニューはガンガン入れたほうがいいか?
これは微妙なところです。
走高跳選手にとってスピードはさほど重要な要素ではありません。
助走の歩数は長くても15歩以内には収まります。
実際に100mのベストが12秒台中盤でも2m18をクリアした選手もいました。
また、スピードが上がれば上がるほど踏切時に強い負荷がかかります。
スピードを上げすぎて潰れた跳躍になる人も多いので、ただ走るだけのメニューであればあまり必要ありません。
この他にも理由はたくさんありますが、一般的な陸上競技のトレーニングは走高跳の記録を伸ばすことだけを考えるとあまり効率的ではありません。
3.走高跳の記録を伸ばすトレーニング方法
では走高跳の記録を伸ばすために必要なトレーニング方法をいくつかご紹介します。
走高跳は大きく分けると3つの局面があります。
流れでいうと、助走→踏切→クリアランスです。
このうちの一つでも欠けてしまうと記録の伸びにはつながりにくくなりますので、一つ一つ噛み砕いていきます。
① 踏切ドリル
踏切ドリルは走高跳の基本中の基本です。
基本となる動きではありますが、陸上競技の他の種目とは異なる動きとなるので、この基本動作を疎かにしてしまう選手がたくさんます。
ここでしっかりと意識するポイントを理解して練習に取り組んでください。
足裏の体重移動の確認
走高跳の踏切は、踏切足のかかと→小指の付け根→親指の付け根へと体重がかかります。
普通に歩いている時と同じ重心移動になります。
まずは踏切足を体の少し前に出し、踏切足に体重をかけて確かめてみましょう。
踏切の姿勢
走高跳の踏切時の姿勢は、斜め後ろにまっすぐ倒れるような姿勢になります。
「後傾姿勢」と呼びますが、一本の棒を斜めに地面へ突き刺したような形になります。
ポイントとしては、体を後ろに倒しにいかないことです。
矛盾しているように感じると思いますが「体を後ろに倒す」のではなく「踏切足を腰より前に出す」ということを心がけてください。
すると自然と後傾姿勢がとれます。
1歩踏切
踏切足を前に出し、実際に踏み切る動きです。
ポイントは上記の2点(足裏の重心移動と後傾姿勢)を意識して「真上に跳ぶ」ことです。
この動きが基本になりますので、暇があれば1歩踏切ドリルを入れるくらい反復練習してください。
3歩踏切
3歩助走をして踏み切るドリルです。
意識は1歩踏切ドリルと同じですが、スピードが少しだけ上がる分、真上に跳べなくなる人が多いです。
常に意識することは「真上に跳ぶ」ことです。
踏み切った位置から大きく前に飛び出してしまうと走高跳の踏切にはなりません。
踏み切った位置に着地するくらいの意識で跳びましょう。
スキップ
スキップのリズムは走高跳の踏切の時のリズムと同じです。
「タ・ターン」というリズムをまずはしっかりと体に覚え込ませましょう。
スキップ(踏切足では高く)
普通のスキップで踏切時のリズムを覚えたら、次は同じリズムで踏切足の時だけ思いっきり高く跳びます。
逆足の時はできるだけリラックスして、踏切足の時は体をしっかり締めることを心がけます。
リズムでいうと「タ・ターン(逆足)、タ・ターーーン(踏切足)」という感じです。
ここで紹介した踏切ドリルは、走高跳の記録を伸ばすためには確実に必要なトレーニングです。
種目練習に入る直前に入れることはもちろん、毎日反復して行うことも大切です。
時間も10分あればできますので、できる限り毎日入れるようにしましょう。
② 助走
いい跳躍をするにはいい助走ができないと話になりません。
走高跳の基本的な助走はアルファベットの「J」のように、直線→曲線で走るようにします。
特に後半の曲線部分の助走が下手な選手がたくさんいます。
理想的な助走は「直線は徐々に加速、曲線はさらに加速しながらリズムアップ」です。
では助走の練習方法をご紹介します。
サークル走
走高跳の助走練習ではオーソドックスな練習方法です。
地面に円を描き、左踏切なら反時計回り、右踏切なら時計回りに走ります。
オーソドックスな練習方法ですが、普段の練習でしっかりやっている選手はめちゃくちゃ少ないです。
正直言ってこのサークル走は、走高跳の助走で一番大切な曲線部分の練習に最適です。
意識したいポイントとしては、「低重心で地面をしっかり押しながら走る」というところです。
意識して重心を落とすのではなく、曲線をしっかり走れると勝手に重心は下がります。
地面を押しながら走ることだけを心がけましょう。
直線→サークル走
地面にサークルを描いて走る「サークル走」の応用です。
円の頂点に向かってまっすぐ走っていき、そのまま円まできたら円に沿って走ります。
スピードが上がるので、体が耐えきれずに外に振られるかもしれません。
この「外に振られる」という感覚が走高跳の助走ではとても大切なポイントです。
遅いスピードで曲線を走っている人もいますが、遅いスピードでは体は外に振られないため、曲線を走る意味がありません。
ここではあまり詳しくは触れませんが、走高跳の踏切には2種類の回転運動が必要です。
曲線助走のスピードを上げることにより、回転運動の1つにつながります。
助走練習は2つだけご紹介しましたが、この2つ
がしっかりできると走高跳の記録は大きく向上するきっかけになります。
特に中学生や高校生はしっかり取り組みましょう。
③ クリアランス
クリアランスとは「背面跳びの形」だと思ってもらえるといいです。
クリアランスが上手い人は効率的な跳躍ができます。
走高跳の選手が最初につまずく技術がこのクリアランスです。
特に走高跳を始めた頃のクリアランスはなかなかひどい人が多いです。
腰が落ち、小学生がやっているはさみ跳びと変わらないような人も多いです。
効率的なクリアランスができると、走高跳の記録向上に直結しますので、しっかりクリアランス練習も取り組みましょう。
ブリッジ
理想的な背面跳びの形づくりはこのブリッジで体に覚え込ませましょう。
ポイントはアゴをしっかり上げること、お尻を締めることです。
アゴを上げることで胸のあたりが前に出ます。
それによりきれいなアーチを描けるようになります。
またお尻の力が抜けていると、腰が落ちて初心者がやりがちな「腰掛け跳び」のようになります。
しっかり締めることを意識しましょう。
クリアランスのポイント
よく指導者が「流れているからもっと上に跳ぼう!」と選手に声をかけています。
これによりクリアランスが崩れて結局失敗跳躍になることもよくあります。
間違いではないのですが、クリアランスはタイミングが遅れると腰が落ちた跳躍になりがちです。
クリアランスに入るタイミングは、肩のあたりがバーを越えた直後くらいです。
上昇中のタイミングでクリアランスに入ると腰が浮き、理想的なクリアランスになります。
一見きれいなクリアランスに見えても、腰が浮かないクリアランスは失敗跳躍につながります。
体は越えているのに太ももやかかとなどで落としてしまう人はクリアランスに入るタイミングが遅い場合が多いです。
心当たりがある人は「クリアランスを早くする」ということを試してみましょう。
跳躍全体の流れ
ここまでご紹介したメニューは全て跳躍全体の流れの中の一部です。
全てが上手くいったらいい跳躍につながります。
助走は徐々にスピードアップし、きれいな曲線を描きながら走り、踏切はかかとからしっかり踏み切り、クリアランスに入るといった流れです。
全体の流れがスムーズになるように日々の跳躍練習で意識しましょう。
ここで個人的に跳躍(特にクリアランス)がめちゃくちゃ上手いと感じた選手に質問した事をご紹介します。
踏切からクリアランスの意識
踏切時は体全体をとにかく締める→踏み切った後は脱力する→肩がバーを越えたら一気にアゴを上げてお尻を締める
ちなみにこの選手は日本でトップレベルの選手で、日本選手権も優勝しています。
合宿の時に直接聞きました。
跳躍力が低い中学生などにはかなり難しい意識ですが、男子で2m以上を狙う選手であれば試してみたほうがいいです。
実際にオリンピックや日本選手権を観ていても、同様の力の入れ具合の選手がほとんどです。
YouTube等でも動画は観れますので、一度「どこに力を入れているポイントがあるのか」ということを意識して観てみましょう。
何気に跳躍だけ観ても何も変わりません。
その選手の意識しているポイントがどこにあるのかをじっくり観て研究できるようになればあなたのレベルがグッと上がりますので試してみてください。
4.結論:記録を伸ばすには走高跳に特化したトレーニングが一番効率的
この記事では走高跳に特化した効率的なトレーニングをご紹介しました。
走高跳は指導者が少なく、「どんなメニューをさせたらいいのかわからない」という場面がたくさんあります。
この記事で紹介したメニューは走高跳の記録を伸ばすうえで必須のトレーニングです。
走高跳は基礎体力が必要な陸上競技の中でも特殊な種目です。
基礎体力を向上させることはもちろんですが、走高跳に特化したトレーニングを毎日の練習に入れることによって記録をぐんぐん伸ばすことができます。
中学生や高校生の選手は、基本的には部内のメニューが決められており、そのほとんどが基礎体力の向上メニューです。
みんなと同じメニューだけをこなしていてはなかなか強くなれません。
走高跳を専門とする選手には、走高跳に特化したトレーニングも必ず入れるようにしましょう。